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【2004年7月6日号】
 
 
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第149回:くちびるに、ガナッシュ

  2003年5月、乳がん治療を終えたばかりのパトリシア・ウエストは、辛い闘病を支えてくれた友人、そして頑張った自分へのご褒美に何かしようと考えた。調香師のライセンスを持つ彼女が思いついたアイデアは、オリジナルのリップクリームをつくること。香水と違って人による好みがあまりないし、調香でつちかった知識を生かせる。健康を取り戻したパトリシアは、新しいリップバームづくりに夢中になった。

 パトリシアがつくったリップバームは、爽やかでべたつかないと友人達の間で大評判になった。自信をつけた彼女は、自宅近くのヘアサロン等のショップに自作のリップバームを持ち込み、8月にはそれらのショップで販売を始めるようになった。今回紹介するリップバーム、「ガナッシュ・フォー・リップス」は、こうしてうまれた。

 「ガナッシュ」の最大の特徴は、お菓子として食べるグルメチョコレートを、そのままリップバームの材料として使っていることだろう。第130回「チョコレートビール」で紹介した高級チョコメーカー、シャーフェンベーガー・チョコレートメーカー(Scharffen Berger Chocolate Maker)を覚えているだろうか。パトリシアは、同社から発売されているチョコレートをリップバームに使っている。チョコレートに限らず、お菓子の味をしたリップバームは市場にいくらでもある。しかし、合成化学物質ではなく「本物の」お菓子、しかもグルメ用の高級品を惜し気もなく使った商品となると、他に聞かない。彼女が高級チョコをあえてリップバームの材料として使った理由は、本物のチョコレートしか持ちえないアロマと色を出すためだった。

 パトリシアのこだわりぶりは、ガナッシュに使った“天然モノ”がチョコレートだけではないことにも見てとれる。モイスチャライズ効果に優れ、ビタミンAとEを含む未精製シアバター、プロテインリッチなスウィートアーモンドオイル、アプリコットの仁 (じん )に含まれかさつきに効果大のアプリコット・カーネル・オイル。その他、ローズマリー、ピュアココア、未漂白ビーズワックスと、材料はとにかくすべてナチュラル。さらに、例えば香りのヒントとして使用されたペパーミントオイルはオレゴン州のウィラメットバレー産ペパーミントから抽出と、見事なまでに素材の「出所」が明らかなのだ。

 素材にこだわったガナッシュ、香りはまさにチョコミントだけど、味は無くてスッキリしている。ワックスの味と甘ったるい味とが混ざったお菓子系のリップバームしか使ったことのない人にとって、ガナッシュは新鮮だ。ガナッシュ・フォー・リップスは現在、カリフォルニア州を中心としたドラッグストア、グルメショップ、スパなどで販売されており、全米展開にも積極的だ。東海岸では6月から“ザ・プラザ”ことニューヨークの「ザ・プラザ・ホテル」で扱われることも決定している。

 製菓用語でガナッシュとは、チョコレートをベースにして生クリームなどを混ぜ合わせたクリームのこと。トリュフやケーキのフィリングとしてお馴染みだ。ナチュラルでリッチな「くちびるのためのガナッシュ」は、お口用のクリームと言えそうだ。

リンク先
www.lalebath.com

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